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ねぎとろ丼

ねぎとろ丼

双子・横断歩道・制服に関わる1人称視点のSS

 妖夢ちゃん?
 ねぇ聞いてる?
 私達って双子なのよ。
 知ってる?
 え?
 知らなかった?
 まあ無理はないわよねぇ。
 おまけに私達は生まれの国が違うどころか、世界が違うっていうレベルだもんねぇ。
 でも本当にそうなの。
 あなたが先に生まれて、私が後に生まれたの。
 ウフフ。
 妖夢お姉ちゃん。

 妖夢ちゃん、本当に聞いてるの?
 あら、妖夢お姉ちゃんだったわね。
 私達双子だってわかったんだから、お揃いの服着ましょうよ。
 今日は妖夢お姉ちゃんのドレス。
 明日は私のメイド服ね。
 大丈夫、妖夢お姉ちゃんにピッタリのサイズがあるから。
 並んでみると学校の制服を着た二人みたいね。
 ウフフ。

 実は私、妖夢お姉ちゃんが幼い頃、遊びに行ったのよ。
 きっと覚えてないでしょうけどね。
 私も小さかったから殆ど覚えてないけど、一つだけ覚えていることがあるの。
 それはね、妖夢お姉ちゃんの左手首の裏に三つ並んだホクロがあるっていうこと。
 ウフフ。
 「何で知ってるの?」って顔ね。

 もうちょっと小さい頃のお話をしてあげましょうか。
 二人揃ってお出かけしたことがあるのよ。
 あれは確か……そう、近所の駄菓子屋に行こうって話だったはずよ。
 お揃いのチェックのブラウスと黒いスカートを履いていたわ。
 あのときも「学校の制服みたいだね」って話したのよ。
 妖夢お姉ちゃんウフフ。

 でもね、私達はそこで不幸に在ったの。
 横断歩道って知ってる?
 あれは道路と道路の境界だと言い変えられるの。
 境界っていうのは空間の裂け目ってわかるでしょ?
 そう、あそこを渡るときにあなたは偶然にも空間の裂け目に入ってしまったのよ。
 あなたが私より一歩先を歩いたから。

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 あとがき

 二人の物語はここから再開する。

 改行で区切っているところがツイートごとの途切れです。


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